上海周辺旅日記 第4日

{photo:t804_1西湖夕景1}

  

    ――――― 上海周辺9日間旅日記 8-4.第4日  ―――――

 1997年9月13日

[朝]

4:45、モーニングコール鳴らず。
4:50、目覚ましでも起きれず。YAさんのノックで起床。
5:30、約束の朝食は見事に用意されておらずキャンセル。(クッソー、黄山賓館め、
    ルクソール以来5:30の朝食の約束は反古にされる運命なのだろうか)
5:45、外には軽ワゴンの客引きががんばっている。朝食が通ってなかったので、
   足も信用出来なくなった。目の前の軽ワゴンに乗り、湯口のバス停に行った。
   出発時間からバスを確認(杭州行きが3台あった)し、朝食(点心、饅頭、粥
   、ザア菜、塩辛ゆで卵)を取る。
   念のため、ジュースやパンを買い込む。店主が中国語でしゃべる電卓で
   計算する。欲しかったが売り物ではない。上海で探そう。
6:30、黄山(湯口)〜杭州へ出発。

[車窓(朝)]
  道に面している家々の平均的な作りとして、テラスと洗面台兼流し台の様な水場
がある。
 マグカップと歯ブラシを持ってウンコ座りしたり、ベランダに肘を付いたりしな
がら歯磨きする人。みかん箱大の木箱にノートを見ながら、粥をすすっている小学
生。洗濯してる人。なかなか、自然で優雅に見える。
  田畑には、牛、山羊、鶏。稲、トウモロコシ、整然としてない茶畑。

[バンピーバス]
  小1時間の間、進行方向右側に川が見える。前座席からMYさんの長い髪が風に
煽られて激しく舞う。YA&MY夫妻は、頭を寄せ合って眠っている。ふっと、頭
の中で井上陽水の歌が流れる。

   山の谷間に夜明けが明けたとき
   村の角からオンボロバスが出る
   若いふたりは霧中になれるから
   狭いシートに寄り添い旅に出る
   しつこい客引きにつきまとわれ
   疲れたからだシートに預け寝る
         ホ〜テルはリバーサイド
             川沿いリバーサイド
             移動もリバーサイド
   Oh,O(ガクン、ギシギシ)

  急にバスが大きくバウンドする。道が悪く(特に山間部)所々、大きく陥没してい
るのだ。慣性を使って速度を稼ぐ為、ワザとブレーキをかけない。前触れなく大き
く跳ねるので、首が痛い。寝てしまうと余計痛い。全員が軽い鞭打ち状態で元気が
なくなっているのがわかる。車内の乗客でおしゃべりする元気のあるヤツは北京語
ペラペラのアメリカ人女性だけだ。昨日のFuckin Terrible Hot Springs事件の現
場に居合わせたU女だ。U男とはカップルではなかった(勝手な勘違い)。車内の同
年代の現地人がお気に入りなのか、時々、一人ケタケタ明るい笑い声が響き渡る。

[犬]
  途中2時間毎に休憩を取る。3度目の休憩は昼食。ここで、初めて犬を見た。同
乗していた小型犬は、食欲がなく、水しか飲まなかった。犬もバンピーバスにはま
いっているようだ。田畑の中にバス用に建てられた白いタイル張りの食堂は周りの
風景から明らかに浮いていた。少し裕福なのか、シェパードとハスキー犬を飼って
いた。入国以来、一匹も見かけなかったので皆食ってしまったのかと心配していた。
(中国人は椅子以外の4本足の物はなんでも食うって話聞いたことありません?)

[杭州]
有料道路らしきゲートを2回くぐると、道がいきなり良くなった。少しの登り坂
で速度10Km/hまで落ちるこのバスも、ここでは、70Km/hくらいで快調に飛ばす。
さすが水郷で有名なだけある。ため池がチラホラ見え、カモがいっぱい泳いでいた。
中国人の半数がそのカモを見て、何かうれしそうな、それでいて見たまんまを口に
出した様な調子で、声を挙げた。
「カモだ。」「カモや。」なんて言っているのだろうか。
市街まで54Kmの表示が見える。寝てても丘にさしかかるとむち打ち、町ではク
ラクションの為起こされ、跳ねすぎて内臓が下へ下がった様な感覚とも、もうすぐ
おさらばだ。やっとバスターミナルに着いた時間は、14:45。8時間の過酷な移動は
終わった。
  揺れる体と頭。体がバラバラになったような感覚がだんだん正常に戻っていく。
昨日の客引きに懲りていた僕らは、公衆電話で、三ツ星ホテルを予約し、タクシー
2台に分乗して西湖のほとりの華僑飯店に直行した。

[昼夕食]
  16:00、小綺麗な食堂で昼食のしきり直し。中途半端な時間の為、客7人に対し
てウエートレスが5人、BEERは少しでも無くなるとサッと注ぎに来る。BAR並
の接客態度に「高いんちゃうか」と何となく心配して顔を見合わす。西湖の川魚(18
元)をメインに今日は改めてDINNERを食べようと話しながら、腹7分目程度にオ
ーダー。麻ボー豆腐がうれしい。西湖の川魚は、日本人にとってなじみのあまりな
い味付けで意外な甘さのあるアン掛けだった。身もすごく柔らかかった。YAさん
が、懐かしい味付けなのか、いつになくこの魚に執心ですごく丁寧に最後まで食べ
ていたのが印象的だった。価格も予想に反して馬鹿安だった。(7人で148元)

[西湖]
  公園にぶらついた頃、日没が近くなっていた。手こぎ舟は6人定員だが、1時間
7人10元eachの言い値で乗った。しばらくして、日が落ち、風が気持ちいい。湖
なので酔うような揺れはない。湖水は緑色、透明度は悪いが、汚染されているよう
な汚い感じはかろうじてない。堤に沿って左回りでゆったりと進む。風に揺れる柳、
登り出す満月。計った様に1時間ぴったりで優雅な舟遊びがおわった。


{photo:t804_2西湖夕景2(上の写真も同時刻)}



[鉄道のキップ]
  タクシーで15Km先の鉄道駅へ行き、汽車のキップを買う。いよいよ明日、7人
は、6人と1人になる。6人組は15日帰国。自分は、18日帰国。日程に余裕のあ
る自分は、買い方と、座席の種類(硬座、軟座、軟臥)の漢字を確認するにとどめた。

[果物]
Dinnerは果物2種。
ハミ瓜(ヘミグア):楕円形の大きなメロン。内モンゴル地方でしか取れないみたいだ。
                味も実の橙色もは、夕張メロンにひけはとらない。メロンに目が
                ない自分は、幸福感でいっぱい。
ライチ         :間隔のあいたぶどうのように茎で売っている。こんなにいっぱい
                食べたのは久しぶり。幸せ。
  金額はほとんどが、500g単位で表示してある。柘榴(ザクロ)が食べれなかったの
が残念。皆で選び出すとあれも食べたいこれも食べたいとキリがない。

[華僑飯店]
 バイキング形式の朝食込み。ツイン450元(エクストラベッド88元)以上。各部屋
に、バス、トイレ、洗面台、TV、AC、乾電池で番号3桁の金庫と社長室秘書の机
ってイメージの机と壁棚がある。部屋によっては、道を挟んで西湖が見える。
  電話番号が最近変わった。Tel.7074401,Fax.773027

[本日(9/13)の主な出費]
宿代(華僑飯店)        179元
食事(3食)         42元

うぅ〜〜M、雲の下の下界に降りるとこうも物価が違うもんか。(^^;)


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