ベトナム縦断*旅日記 第1日

  
  −−−−−− ベトナム縦断9日間旅日記 ― 第1日 −−−−−−
                   
{出発前}
  3週間以上前から慎重にスケジュールを読み、根回しをしてきたつもりだが、
行く直前直後に出張はボカボカ入るし、メールはドバドバ来る。
肝心のVISAとパスポートと航空券は、予定より2日遅れた前々日の入手。
いつもより、バタバタとした状況で出発前夜を迎えた。
今回は、自分にとって記念すべき?10回目の海外旅行である。


{1日目;9/19(土曜日)}

[出国]
  深夜2時まで荷造り、朝5時起き。外は小雨。
6:00  いつも酔っ払った状態で夜眺める有楽町駅前は土曜の朝という事もあり、
人がいない。この風景は奇妙に思えた。
  そこから50分位かけて駅間の長い東京モノレールは羽田空港に着いた。で、
終わりと思ってたら、国際線ターミナルまで更にバスを乗り継がなければいけな
かった。予想外な事に少し、焦ったが、何とか、
7:00  チェックイン。総重量は8kgとちょっと。
      出国審査。2便分しか人がいないのでスムースだ。
9:00  時間通りテイクオフ。
そう、関東で海外旅行に良く行かれる方は、お分かりの方もおられるでしょ
うけど、今回の飛行機は中華航空である。よく落ちるとか悪い噂を聞くが、その
安全性、乗り心地については旅仲間からの情報により、払拭していた。加えて、
ここまでの行程は成田空港に行くよりも、時間的にも精神的にも遥かに楽だった。

    羽田 0900 ―――> 台北 1120
時差は1時間。2.5時間の短いフライト。

[台北中正機場(空港)]
乗り継ぎが中途半端に悪く、台北で5時間待ちである。羽田で台北―――>ハ
ノイ間の搭乗券を渡され、空港からは出れないと言われた。だがそれは、案の定、
航空会社としての建前だけで実際は、機内でもインフォメーションでもOKだっ
た。

5−0.5(i)−1(市内行き)−1(市内帰り)−1(チェックイン)=1.5時間

この1.5時間が、市内観光できる時間だった。
出かけるのに必要な金額は、
    空港−市内 間のバス代(片道)               110元( 440円)
    空港使用税                                  300元(1200円)
空港で5時間おとなしくしていればタダだが、出るだけで2000円ほど余計に掛
かる。だが、初めての土地見たいという好奇心と成田の空港使用税よりも安いと
いう納得から、躊躇なく市内に出ていった。
※  (i):インフォメーションの略

[台北市内]
道中の田舎の風景は植生も似ていて、見るべきものはない。
  だんだん周りが賑やかになってきて、看板の文字から意味を想像する遊びをし
だす。牙科=歯医者とか優しい漢字ドリルみたいだ。
終点の鉄道駅に降り立った。周りは上海よりも少し進んでいる様な印象。大
亜百貨店に入って物価を確かめようとするが、エレベーターで行ける最上階8F
に登ると予備校に出てしまった。なかなか面白かった。地下2Fは、食堂で40
〜60元で1食食える事が分かる。小龍包を探したが無かった。
小龍包を探し求めて街をブラつくが、あんまりお腹が空いていない事に気付
く。時差が1時間あるとはいえ、朝から2食、しっかり食べていたのだ。羽田で
見た検疫情報も精神的なネックだ。今、台湾で牛肉や羊肉が一時的になんとか菌
で危ないってことが書かれてあった。
結局、VCDや本やパソコンソフトを見て、カクテルのシェカーで作るひど
く甘いインスタントコーヒー(25元)を飲んだ。500ccに対して、コーヒー粉、ク
リーミー、砂糖が全て山盛りの大匙2杯。クドくない訳はなかった。

{photo:女子中高生が列を作るジュース屋さん }

残念だけどこれで、市内観光を締めくくった。
総体的に、中国人が作った少し発展した街。自分にとって新鮮なものは余り
無かった。

[ハノイ]
    台北 1620 ―――> ハノイ 1830
時差はさらに1時間。3.5時間の短いフライト。ベトナムエアーとの共同運行
だった。

[ハノイは首都?]
  ハノイはカイロの様。手荷物や検疫のところまで、大勢のタクシードライバー
が、迫ってくる。こんないい加減さはカイロ以上に悪い。首都の国際空港がこん
な事でいいのか。呆れてしまう。警戒心を250%位に引き上げる。手持ちの現金
はほとんどドル紙幣なので両替はせずにベトナムエアーのワゴンサービス
(US$4)に飛び乗る。無視し続けたタクシードライバーは、背後でまだ15とか10
とか叫び続けている。諦めの悪さはモッロコのタンジェ以上か?。乗客は100%
日本人で8人。苦笑し、殺伐とした気持ちで車窓の風景を眺めた。このパター
ンは、、、ボっタクリとの攻防が待っている。疲れる旅行になりそうだ。なんでも
ない水田風景。時々光っているネオンの半分は「KARAOKE BAR」。日本
企業の看板も目立つ。

[ワゴン]
ガイドブックにはベトナムエアーのワゴンは、市内のベトナムエアー事務所
に到着するとなっていたが、市内の通りも構造も分からない内にドライバーの副
業が始まる。そう、宿の客引きに豹変したのだ。一応、部屋の下見をしているう
ちに学生風の4人は要領よく消えていた。好意なら良いのだが、その一件目を
鉄道駅から遠いからと断ると態度が豹変する。いきなり不機嫌になって動かなく
なった。仕方なく、ガイドブックを指して、
「ちゃんと決められた仕事せーや。事務所連れてかんかったらクレーム出すぞ。」
と言う(英語)と、渋々、ベトナムエアー事務所に着けた。この手が、通った事が
後々、交渉の甘さとなって自分自身をイライラさせるとは、この時は思いもよら
なかった。この時は、まだ、煩わし度が所詮エジプトやモロッコの下だと読んで
いたのだ。

[宿]
  ベトナムエアー事務所前でも客引きが6,7人待ち受けていた。残った4人は、
自然に団結心が強くなり、一丸となって強引な客引きを振り切った。その後、小
雨の降りだした中、自分の第一志望、ロータスゲストハウス(G.H.)に向かった。
利害関係のないフィルム屋と観光客に道を聞きながら、方向と通り名と番地の構
造がNYに似ている事がわかってくる。ある程度碁盤状で片側に偶数ブロックが
あれば、もう片側は奇数。番号は東西にブロック単位で変わるので、NYっての
は言い過ぎか。(^^;)
ロータスG.H.はfullだった。そこの紹介のホテルに無料のシクロ2台に4人
分乗し、中心となる湖からは鉄道をはさんで反対側、鉄道からは1km、文廟近
くの分かり辛い宿に腰を落ち着けた。用意されたのはダブル1室、ツイン1室。
ダブルの方をカップルにお願いして、自分は、「人懐っこいが、一癖ありそうで、
でも害はなさそうな中年のおじさん」と部屋をシェアすることにした。言われた
通り$12(一人当 $6/1泊)。皆、疲れていた。1時間くらい、宿主のタンさん
にインフォメーションをもらって、旅のパーツを決めていく。9日という短い時
間で縦断しようと考えていた自分は、、、
  明日の日曜日、無理してでも早起きして1日ツアー$15に参加。ビッグドンと
いう湖にいき手こぎ船にのる。他にハノイ近郊の観光スポットでハロン湾がある
が、この宿が手配できるツアーは、2日ツアーしかなくスッパリと諦めた。
  月曜は、市内観光にする。
中部の古都フエへの移動は、当初、シンカフェ(ベトナムで一番有名な旅行
会社の一つ)のOPEN TOUR(縦断するバスの名前)で気ままに途中下車しな
がら移動する事も考えていたが、1日1便しかなく途中下車できる場所もホー
チミンまで5個所しかない。おまけに最小催行人数まで設けてあった。一見便
利そうだが、時間がたっぷりある人にしか向かない。残る選択肢は寝台列車か飛
行機。

寝台列車 :14時間。ACなしソフトベッドでUS$50近く。
飛行機   :1.5時間。US$86。

迷ったが、金額にさほど差が出ないので、結局、時間をお金で買う事にした。
国内線航空券の普通運賃はUS$90と本に書いてあった。宿の人の手配でそれ以
下の価格ということは、格安券が存在しているということだ。かなりボッタくら
れている事は想像できたが、土日は自分では手配できなさそうだし、月曜はフル
に市内観光に時間を割きたかった。学生の頃に比べれば金に対する粘りをなくし
た選択である。少し、悔しいが、時間の方がもっともっと惜しい。縦断するのに、
火曜にフエ着という予定はギリギリの線だ。移動できないリスクは絶対避けたか
った。っと、自分で自分を宥めながら判断を下した。

 24時〜  なかなか聞かないクーラーの為、寝苦しいながら就寝。
体は全然疲れていなかったが、精神的な疲労の方がはるかに大きかった。
ともかく、明日は6時起き!早く寝よう。時差2時間あるから、日本では8
時、別に無茶な起床時間ではない。早く寝よう。、、、ZZZzzzzzz

続く−−−−−− ベトナム縦断9日間旅日記 ― 第2日へ −−−−−−


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