Circle Pacific −1−(出発〜ロス 編)

 
 第一日目:1996年12月19日(木)
 
 [特別な座席]
    NW002便  NRT 1545-->LAX 0820(助走時間52sec.,飛行時間16hr.?)
   時差+1日−17hr.
  
    座席は羽の上の非常口の真後ろだった。離陸前にフライト・アテンダントが
"...HELP..."と真剣な口調で早口に話かけてきた。運良く通りかかった日本人のフラ
イト・アテンダントに通訳してもらうと
 「もし、万一陸上に不時着した場合、非常口を開けるのを手伝って、一番にスロープ
を降り、客を機体から100m離れた場所に誘導して下さい。また、海上に不時着した場
合、この非常口を使わないようブロックして下さい。」
   とのことだった。こんな体験は初めてで、海上の場合を想像してぞっとした。思い
返せば、チェックイン時、変なタイミングで英語がデキるかどうか確認してきてた。
謙遜でもなく正直にA LITTLE BIT!って言ったのに...。まだまだ、体験していない事
が多いものだと気を引き締めた。
 
 [初めてのロス・アンジェルス]
 入国すると朝の9時。まずは、HOTEL探しから始める。機内で、隣の日本人ビジネ
スマンから「ロスの渋滞はひどい」と情報を得た。どうせ、滞在予定は1泊だ。日本
出国前はYMCAに泊まろうと思っていたが、米国入国手続きをしながら、予定を変更し
て空港近くに宿を取ろうと心に決めた。検疫の出口を出ると左脇に「i」を見つけた。
定年後、ここでボランティアしているという日本語話せるじいさんが、
   「このファイルにある値段は「i」の協会がネゴってあるから安いよ。」
 なんて言いつつ、ホテルパンフで膨らんだのクリアファイルを持ってきてくれた。
    まだ、先は長いので、出来るだけ節約したい!、なおかつ、空港近く!という条件
で全部目を通したところ、空港から2.5mileでSingle1泊$28〜30のHOTEL/ MOTELが
3つあった。その中から直感で一番質素な感じのMOTELを選ぶと、即、じいさんが電
話してくれ、黄色い紙に紹介文を書いてくれた。
   「道路に出てすぐにある緑色の"HOTEL/MOTEL/RENT A CAR"の看板下で待っていれば
10分以内にワゴンがpick upしてくれる」
   と言って笑顔で送り出してくれた。(あっ、チップ忘れてた。)
 
 [MOTEL CEASERS]
    5分で来たワゴンに乗り、駐車場に突っ込んだ事故車(多分即死)を見て、スキンヘ
ッドの黒人ドライバーと2,3言会話している内に、5分でMOTELに着いた。客が少な
いらしく、部屋はTwinでバス、シャワー、トイレ、シャープ製29インチTV付き、で
$28+12%TAX3.35(キーとTVリモコンのデポジット$5)だった。横になって寝られる
浴槽が妙にうれしい。周囲には、歩いて5分以内に中華2軒、バ−ガ−屋4軒、スー
パー3軒以上ある。
 
 [ダウンタウン]
 旅行初日で、ロスでは半日×2しか観光に使える時間がない。自分にとって、ここ
での唯一の目的は、「アラスカでお世話になった在ロス・プロカメラマンKさんと夕
食すること。」と割り切っていたので、ガンガン観光するつもりはなかった。
   シャワーを浴び、KさんにTEL(市外局番は1+)をし、19時にリトルトーキョーの
HOTELニューオークラで待合せを約束した。
 午前11時、フロントで薦められた高いツア−は断って、ぶらぶら周りを歩いた。郵
便局と間違えて職安に迷い込んだり
   (おじさん:"Do you want job?"
  TAKT    :"No....Why? "
  おじさん:"Here is ...social...")、
 スーパーに入ったりしながら、教えてもらったバス停へ行き、40番のバスに乗り込
んだ。30分位でバスに乗客が2人になった。あれれ、なんか田舎っぽいとこへいくな
あと思っていたけど、ダウンタウンへは1時間かかると聞いていたので楽天的にかま
えていると終点。バスの運ちゃんと話してみると逆方向に乗ったことがわかった。15
分後にまた出るからと言われ、手持ちぶさたに待っていた。遠目に運ちゃんとの会話
をきいて察しがついたのか、ティナという名のばあちゃんが話相手になってくれた。
 ありきたりの自己紹介が済み、12才の時WWUだったなんて話しをいきなりされた
ものの、韓国人との会話と違ってそこからDEEPな話の展開はしなかった。しかしその
後、日本人は好きだが、韓国・中国人は嫌いと言うティナに自分はどう返答してよい
か困って、曖昧な笑顔でうなずくだけだった。
 バスは折り返し90分かけてダウンタウンへ。病院へ行くのに途中下車したティナが
バスの運チャンに"ちゃんと面倒見たりや"みたいなことを言ってくれたこともあり、
オークラの前に来た時、運ちゃんが教えてくれた。なぜか日中はクーラーを付けてい
て寒いバスを飛び降りると外は心地良いポカポカ陽気だった。
 オークラ前では20人位がオークラを非難するシュプレヒコールを繰り返していた。
気遅れしながらもらった黄色い紙は読んでいない。ともあれ待合せ場所は確認できた。
 あと6時間どうしようと思いつつ、眠たくてボーッとした頭のまま歩き出す。ダウ
ンタウンに来たバスから眺めていた街並みは、強引に喩えれば、アデレードを古く飾
りっ気なくした感じで全然ワクワクしない。コーヒーと昼食を取りたかったが、あた
りは官庁街で食べる所がなかなか見つからなかった。ダウンタウンの端っこまで歩い
てやっと、メキシコ料理を見つけ、コーヒーとTARCOを詰め込んだ。透明でデカいガ
ラスコップに入った濃い目のコーヒーは、今の自分にはありがたかった。食べながら
ガイドブックのページを前後前後前に繰る。
 有名所でUNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOODでも行ってみるか。!
  
    [UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOOD]
   今日は時差対策で夜まで絶対寝ないんだとがんばりガムをかむ。出会う人に片っ端
からUNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOODへの行き方を聞き始めた。旅行初日で
「 HOLLYWOOD 」が、「ほりうっど」とうまく発音できない。それでもなんとか意志を
伝え、5,6人に聞くが、「車で10mile(16Km)」で「あっち」ということ以外わからな
い。簡単に歩ける距離ではないので、バスでの行き方を聞くが「っBus?」なんて逆
に驚かれたり、「教えてやるからTipくれ」なんて言う人まで出てきて面倒くさくな
ってきたので、通り掛かりバスに乗り込み、走りながら運ちゃんと話。正解の420番
と乗り場を聞き、タダで2つ先の停留所まで乗っけてもらった。どうやらロスは住民
の大半が車を持ち、街作りも車前提に設計されいるようだ。
 5分程待っただけで乗れた420番のBUSはフリーウェイを飛ばして行く。隣席のお
姉さんに「着いたら教えて」と頼んでおいたら、5分ほど居眠りしていたのを起こさ
れた。(ヤバいヤバい眠るつもりはなかったのに...)UNIVERSAL STUDIOS HOLLYWOODの
でかい看板前に着いたのは、ダウンタウンから40分後だった。その看板前から15分
歩いてやっと入場門に到着した。
 入場料は$36と高い(JCBカードの提示で$3off)。ツアー料金が高く感じられたのは
入場料込みだったから?なんだろう。LIVEはWATER WORLD他5本見て、最後にBACK TO 
THE FUTURE RIDEに乗った。面白かったが、揺さ振りが激しく時差ボケがひどくなっ
た。NYで3D見た時と同様、時差ボケ中にこの手のやつは、自分にとって弱いみたい
だ。(普段は全然平気なんだが...)
  
    [夜のドライブ] 
   午後7:15、K氏とオークラのロビーで再会&握手。アラスカでのダボダボの衣装が
蘇る。早速、K氏の車でドライブがてら夕食に出かけた。車は左ハンドルのトヨタ。
「練習する?」と言われたが、MTだったし(自分は、普段ATしか乗っていない)、時
差ボケが心配だったので、チョット考えて遠慮した。
  ビバリーヒルズをぬけ、住宅街に入ると家や幼稚園のクリスマスのランプが面白い。
 フォーシーズンスH近くで芸能人が来る前の人だかりを見た。自分一人だと車を止め
て覗きに行きたいところだが、K氏は興味がないのか、スピードをゆるめることはな
かった。サンタモニカのモール近くに駐車して食事。レストランは意外なことにイタ
飯が多い。白ワインなのにピンク色が少し付いているカビネットとMAHIMAHIという白
身魚がおいしかった。
 東京で4月頃会って以来なので、アラスカ〜旅行〜カメラ〜LAと話は尽きない。
  ロスが初めての自分は、気付いた面白い点として
 ・ロスの街路樹がパームで南国風。キノコカットもあった。
 ・モールで、車輪を分解して鎖で止めていた自転車があったこと。
 ・チェーン店(吉野屋3軒、マクドetc.)
   質問したり、教えてもらった事として
 ・車社会(中古のポルシェ$19900、ガス$1.2/ガロン以下)
 ・PED XING=歩行者横断
 ・アメリカだけの単位。(ポンド、mile、inch、°F)
 ・アメリカ人は計算弱いのに分数(例)2と3/4)表示が多い。
・ クリスマスについて(パーティ準備の買物、渋滞、帰省)
  おいしい料理と楽しい話で眠たさは少しも感じなかったが、食事がすんで一息つく
と午後23時になっていた。駐車料金は、$2/3hr.(ダウンタウンでは$1/10min.)。料金
所の姉ちゃんが"Have a good one"と言う、こんな言い回しは初耳だった。K氏は
 「oneは、いつでも使え便利かもしれないが個人的にはあまり好きな言い回しでは
 ない。」
 と解説してくれた。
 フリーウェイを80[mph]で飛ばしMOTELに送ってもらった。23:30。MOTELに着くと同
時に嘘の様な睡魔とけだるさに頭と体を捕まれた。部屋に入り、裸(普段はパンツとT
シャツで寝るのだが)になって、ベットにもぐり、泥のように眠った。31時間の長い
一日が終わった。
  [ホテル情報:Motel CEASERS]
  US$28+TAX3.35=31.35。空港歓送迎付(車で10分以内)。空港のホテル専用無料TEL
で連絡し、HOTEL/MOTEL専用の緑の天井吊りの標識の下で待つと迎えのワゴン車が来
る。キーとTVリモコンに対してUS$5のデポジットを取られる。TV、AC、Bath、W.C.
付8畳。フロントに日本語を問題なく話せる台湾人がいる。ダウンタウンやダンタモ
ニカへはバスで1時間位かかるが、空港への渋滞を気にしないで済む点が利点。
 第二日目:1996年12月20日(金)
 [朝のTV番組]
  朝9時起床。朝のTV番組をぼんやり眺める。クリスマスまで1週間切っているので
クリスマスソングがたびたび歌われ、終始陽気な雰囲気だった。他に、天気予報の太
陽マークがサングラスをしてニッたりしていたことが面白かった。
 [UCLA]
 「夕方までどこ行こうか?」フロントのおっちゃんに相談したところ、「UCLAでで
も時間つぶしたら。」と言われ、その気になった。ロスの特徴が出ているところなら
どこでも良かった。ハンバーガー屋でゆっくりとブランチを摂った後、117番バスで
空港近くのバスターミナルで、3番青バスに乗り換えてサンタモニカを経由してUCLA
へ行った。乗り換えの待ち時間を含め90分は掛かった。大分昔にはやったUCLAロゴ
入りトレーナーは$49。割高感があり買う気がしなかった。自分はブランドイメージだ
けで高値が付いている商品には、基本的に興味がないのだ。学内は、クリスマス休暇
だからなのか?人は少なかった。ブラブラ歩いていると博物館を見つけた。南アフリ
カの偶像展をやっていた。セルロイドの赤や緑の人形(現代)とZAIREという名のチ●
ポ型偶像が印象的だった。
 [初めての Air NZ]
 帰りのバスは週末&クリスマス用買物客でごった返し、渋滞もひどかった。MOTEL
まで、行きにかかった90分+30分の2時間を見込んでいたが、実際は、渋滞のおかげ
で3時間もかかり無茶苦茶焦った。MOTELからAir NZ のオフィスにTel.したが、反
応が悪かった。こちらの英語力のなさと焦りが幸を奏したのか?渋々と言うか何とな
く空港のスタッフに「Late check in」の意図を伝えてくれそうな雰囲気でTel.が切
れた。結局、MOTELのワゴンに急いでもらって、空港にチェックインしたのは1時間
前だった。Air NZの空港カウンターは、ほとんどの客が、渋滞で遅れ気味だった為、
紳士的に対応してくれた。係員の「No problem」の声でほっとした。
 
 NZ017便  LAX 1930 --> PPT+0145(助走時間39sec.,飛行時間8hr.)
  
   飛び立ってすぐの右側のロスの夜景はきれいだった。フライト・アテンダントの制
服は緑と黒色基調のロングスカート、金髪とマッチしてるし、シックで良い感じだ。
笑顔と対応のスピードも良かった。さすが人気No.1,2と雑誌等で言われるだけはある。
寝つくまでに寒気を感じたので、チーフパーサーに寒いと訴えると、1席1ブランケ
ットしかなく、予備がない状態だったのだが、どっかの席で交渉して取ってきてくれ
た。保温力はチョット低いが、軽くて色(緑色)も奇麗だったので、オリンピックair
以来2枚目の永久拝借となった。もちろん、スプーンも大小GET。ナイフ・フォーク
は先が長いので遠慮?した。席にたまたま2個あったヘッドフォンもGET。NWでFFPを
貯めているのでマイルもGET。(って、ひつこいか(^o^))理解不能の仏語で書か
 れたイミグレのフォームもパーサーが丁寧に対応、記入してくれた。こちらはパスポ
ートをみせ、英語の質問に2,3答えるだけで良かった。12/21の早朝2時,タヒチ・
パペーテにあるFAAA空港着。



太平洋周遊・初めての南米
世界あちこち旅日記