旅の虫11号・第3章
初心者(妹)と一緒・NZ(ニュージーランド)


■ 旅日記No.067 ・ NZ05一人旅復帰!篇 ■

◆ カイコウラの20Bedsドミトリー1泊。
妹と別れ、兄としての義務感から開放された。

同じ宿の中で宿泊形態の変更。
ツイン → 大部屋へ

不思議なもので、、、
手足を鎖で縛られた様な状態だった自分の心は、
まるで解き放たれた様に軽くなった。

1単語だけ、マオリ(現地先住民)語を勉強しましょう。
kai  : 食べる
koura : クレイフィッシュ(形と大きさは伊勢エビ&色はシャコ)
そう、カイコウラは、クレイフィッシュを食べられる所。

市場で、偶然見つけたクレイフィッシュを1匹丸ごと買い。
包丁で縦にカット、
塩茹でし、
バケットと共にパクつく。

頭を残していたら、、、宿のご主人が、
「まだまだ食えるよ。」
とHEROのマスター(俳優:田中要次)の様にぼそっと言ってから
、、、丁寧に分解。
こんなに食べれたのかという位、満腹。
味はイセエビと遜色なし。


この宿のご主人〜Haweraの位置情報をGet。
北島の中央部・西岸だった。


◆ 泣く泣く北進
翌朝、南へ行くとどうにも日数が足りないことに気付き、
帰路変更Tel to マレーシア航空。
リコンファーム(予約の再確認)も完了。

(あぁ、テカポ、ダニーデン、、、また今度な。)

決断したら早い。
バスで南島北端の港・ピクトンへ踵を返す。

夕方、チャリを3時間レンタル。

フィシュ&チップスをほおばる。
黒コショウの利かせ方が絶品だった。岬の上のお店。

西丘へ駆け上がり、キャンピングカーの老夫婦と暫し会話。
2ヶ月レンタルでNZ$15/日だとか。

そーーか、その手もあったか。
でも、、、今回は、、、旅の手ほどきにはならんし、
やっぱ、交通と宿泊の手配は基本中の基本。

次回だな。やるとしても。
2人以上で、、、

NZ$7〜20(=462〜1320円)でバックパッカーズを泊まれるNZにとって、
宿付き移動車は、うまい選択肢と思った。

まだまだだな。俺も。反省^2。
旅慣れたと思ってはいても、、、
上には上がいる。


◆ 心に生えた羽
帰りは下り坂、
「キャッホホーーーーーーーーーイ」

今まで抑圧してきた心は本格的に開放され、
羽が生えた様に軽く感じた。
自分の中に旅を楽しむ感覚が蘇ってくる。
これだよ!これ!
よかった〜。
磨耗していなかった、、、旅を楽しむ心。

5分???
のタイマー付きシャワーを手早く済ませ、
インスタントラーメン+肉+野菜で簡単に夕食。

安宿のロビーでNZの情報を漁る。
ネルソンのスキューバは水温面でかなり寒そうだ。
5mmのウエットがある???確認するにしても夜だし、
日程もそんなにない。

ロンリープラネットの記述に
"Milking","黒い色した砂、、、ビーチ?"
の文字が、、、これ、、、だな。うん。

牛の乳搾りを一度、やってみたかった。
西岸、、、香港ほど黒砂ビーチはしょぼくなさそう。
最悪、、、日没も見られる。よし。

セスナをTel予約して、
23:00 就寝。

◆ 北島を北上
05:30 セスナの会社のピックアップ。
06:00 朝一番早いセスナで北島へ戻り、

眼下にイルカ3。1500ftから見るイルカたちは、、、
灰色の弾丸の様に勇敢に見えた。

空港で5人位仕事の邪魔
「Haweraへ行くには?」情報Get
〜長距離バス乗り場へ

長距離バスはのんびりムード。
他の客は、Kiwi(NZ)人のみ。

途中、軽食タイム(ドライバーの休憩時間)。
電話で目的の宿を予約。
6or8Bedsが開いているらしい。
「安い方で、、、8?
 OK、ありがとう」
余った時間でヤギと鶏と戯れる。

知らない田舎道。
目指すは、Hawera(ハウェラ-->地図参照)。
安かっただけに2kmほど中心街から外れた場所にあった安宿。

チャリは交渉するまでもなく無料で借りられた。


◆ 映画
夕方、市街へ、
偶然見つけた映画館。
ブラピ主演の
「1999年『ファイト・クラブ』Fight Club 」を見た。

サイバーな役どころだから、しょうがないのかもしれないが、
発音が聞き取りづらい。
彼はスコティッシュ?いやUSAだよなぁ。

  "Fuckin"多すぎ、、、
  モゴモゴしゃべんなよ〜。

と心の中でツッコミ入れつつ、、、
ポップコーンを頬張る。(こゆとこは保守的だったりする)

アメリカンENGLISHに集中するあまり、精神力が削られた。
どっと疲れたその足でペダルをこぐ帰路は登り道。

早く帰って、ハムとバケット食って、さっさと寝よう。

夕暮れの風は肌寒く、風邪をぶり返しそうだった。


◆ 偶然見た牧歌的風景
NZの太陽は遅れて落ちる。
夕食時に少し降った小雨。

一緒にキッチンに立っていたドイツ人女性が、、、
「How,,,Lovely,,,Peaceful,,,Beauthiful,,,
 (なんて、、可愛くて、、平和的で、、
  美しいのかしら、、ねぇ)」
と景色を絶句しながらも絶賛。

キッチンの大きな窓から見た牧場風景。
広がる緑。。。丘。。。森。
シロクロの乳牛たち200頭?。
雲間〜は肖像画の様な光の筋。

確かにそれ以外の言葉が思いつかない。
「確かに、、、Uuuuum。」
2人で1分位、無言でしばし景色を眺めていた。


世界中、、、どこ行っても、ドイツ人は気さくで旅の上級者が多い。
礼儀正しく、英語も聞き取りやすいスピードにさりげなく合わせてくれる。
この宿のドイツ人比率は 約70%。
私と中国人1名を除けば、 90% from ヨーロッパ(全20名)。

NZでこの地域比率は他では経験したことがない。
NZでこの時期は、どっかしら日本人が30〜70%以上、宿に群れているからだ。
(卒業旅行が悪いって言ってるワケではないが、、、せっかくなら
 もう少し世界交流しろって、、、言いたくなってくる。)

確認してみると、、、
ほとんど、1〜4週間の短期ワーホリ(働きながら宿泊)みたいだ。
(おいおい、確かにいい所だとは思うが、
 ここで4週間はさすがに飽きるだろ!
 フィンランド人学生、、、
 ツッコミは心の中だけにしておいた。)

うまい白ワインとつまみを交換しながら、
深夜までドイツ人2人と情報交換。
暖炉もあって心地よい空間と話を楽しむことができた。

翌朝、牛の乳から直接Milkを掬い取る。
もう機械化されていて、

1)鉄サクで追い込まれた乳牛は
2)円形の鉄板ステージの上に自ら進み
3)吸い取る機械をスポっ、、、キュポって手動で乳にハメられ、
4)一定時間で自動的に外れる仕組み。
5)機械が外れた牛は慣れているのか、自分の足で牧場へ歩いて戻っていく。

作業の邪魔しても悪い。
、、、2時間、見て飽きる。

揉んで絞ることは状況的に許されなかった。
働いている人が皆、忙しそうだったのだ。

「この機械で滅菌してる」
とか解説してくれただけ親切だと思った。

牛に踏まれて前足を怪我してる犬とひとしきり遊んだ後、チェックアウト。


◆ 英国紳士を訪ねて
いよいよ、、、手紙の住所を訪ねる。
手紙を見せ、5、6回道を尋ねる。

小川沿いの小道

家6軒。奥〜2番目、、、留守?生活感がない。

誰もいない。

声を掛ける。

誰もいない。

 ・ ・ ・

隣の家のおばあさんに確認。手紙を見せつつ経緯を説明。
「3,4年前、男2人と女1人が確かに住んでいたが、、、。
 2年程前、男1人亡くなって、、、皆去っていった。」
dead?、、、!
「え?」

糸の切れたマリオネットの様に膝から崩れ落ちる。



















あふれそうになる涙を堪え、頭の中がウズをまく。
(彼、死んだ?のか、弟の方か?)

気が付いた時には、濃い茶色の木の椅子の上。
おばあさんとその娘らしきおばさんが、
色々な慰めの言葉を掛けてくれていることだけは、
辛うじてわかった。

 ・ ・ ・ 落胆。
      (体に力が入らない)

暖かい紅茶2杯と手作りのクッキー、、、
頂いている内になんとか気持ちを立て直す。

「失った手がかり」と「1/2以上の確率で感じる彼の死の可能性」。
受け止めなくてはいけない。
必死でそう思う。

街を水道塔から展望、
曇り空、強い風。

(進まないと)

後ろ髪を断ち切るように、
昼頃、Haweraを後にする。

バスは1日1本。昨日降りた時間にバスが来る。
次の目的地は、Mokau(モカウ)だ。


◆ Mokau(モカウ-->地図参照)
あんまり期待してない黒砂ビーチ。
2,3日ぼーっとするのもいい。と思う。

不在のフロント。いや、家。
開いているカギ。、、、張り紙。
村に一つのSHOP兼博物館?前の公衆電話を使いTel。

「えーっと、、、今夜泊まってもいいの?
 誰もいないんだけど、、、」

こんないい加減な宿は初めてだ。

夕方、チャリの旅人が3人合流。
フロントの人?とも話。

金は前金。ほったらかしな宿。
勝手に決めて良いベッド。
勝手に使って良いキッチン。シャワー。

「気に入った。3泊したい。」
フロントの若い男は目を細めて微笑んだ。
「どーぞ。」

都会・オークランドは2泊でいい。
4日間、頭空っぽにして散歩。

黒砂ビーチ、
流木に座って海の満ち引きをただ眺めてた。

3つの奇岩、
釣り人とたわいもない話。

牧場で羊や牛とにらめっこ、追いかけっこ、
牧草地で昼寝、

とただ、、、ブラついた。


陽気なバイク・チャリの旅人しか来ない宿。
たわいもない会話。


◆ ヒッチ&ヒッチ&ヒッチ?
その次の朝、バスを待たずにヒッチ開始、、、12台目。
BMWの40代夫婦の車をなんとかヒッチ。

途中の大きな街で、50台目位、トレーラーをヒッチ。

オークランドまで数十キロのバス停まで、パトカーを3kmヒッチ。
いや、違う。
警官「ここは、高速の分岐で危ない。
   車を止めるにはふさわしくない。
   近くのバス停まで送ろう。」
保護されたのだ。
「ごめんなさい、、、知らなかったんです。」
感謝と恥。(海外で初パトカー乗車)


日没前に、ローカルなバスでオークランドのバックパッカーズへ滑り込んだ。

小さなチャイナタウン?で、パスタとトマト&バジルの缶詰めを購入。
袋500g全部、茹でてしまう。
超薄味を塩とコショウでごまかし、、、
半分でギブアップ。

相席のUSA女2人共に目を向かれ、、、呆れられた。
「そんな一袋なんて、、、食べ切れないと思ってたわ、、、」
と軽蔑の一言。
なんでUSA女って、、、こんなに言葉がキツいんだ。
「不可能」って、、、言うかなぁ?直接。

まぁ、今回は
「朝〜リンゴ2個、空腹だった」
とはいえ、
ぐぅの音もでなかった。

パスタ500g茹で1人で1食で食おうとした
       = ガキ扱いされても仕方ない行為。
ちきしょー。

翌日、NZ最後の丸一日、動物園とお祭りへ行きNZの旅は終了。
今でこそ、旭山動物園などで認知されつつある展示形式だが、
この頃は、海外でしかお目にかかれない展示を楽しんだ。
(頭の上を走り抜けるミーアキャットやピグミーマーモセットなど)

お祭りは、中華系主催の盆踊り的なもの。
キャンディ・フロス(綿菓子)が食べたかった。


◆ 落ち着くマレーシア
クアラルンプール 1泊 : お気に入りの屋台でラーメン
+ マラッカ    2泊 : マレー系中華を屋台で食べまくり、、、

約6時間をかけ、、、
ローカルバス2本と
最後、短距離だけタクシーで空港へ直帰して帰国。
(ヒッチに続いて、かなり危ない橋を渡っている
 ギャンブル的で挑戦的な動きは
 普段の自分のスタイルではない)



◆ このNZ篇を英国紳士に捧ぐ
実は今日、みさかの湯で、しこたま泣いてきた。
涙を隠す為、
ミストサウナとシャワーと打たせ湯しか入れなかった。

9年経ってもこれ、、、だ。

チャリで追い抜かしてく彼が、
「Too late,,,HAHA」
と笑う。

ボディビルダーのポーズをしながら両手の親指だけ立てて、
何か声を掛けてくるのが彼のクセだった。
「Go Ahead!」(笑顔)
彼がそう言ってくれた気がした。

(涙で書けないので、
 No.067のできは、自分自身、不満だけど、、、
 しばらく校正は致しません。)

とにかく、前へ進もう。

(→ ■ 旅日記No.068 ・ 第4章 盛りだくさん・ペルー編 ■ へ)


)建設中
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