「アイシャ」

ブルガリアでポーランド人に 恋をした
彼女は僕のことを 大好きなロバに例え
僕は彼女のことを 大好きなネコに例えた

僕は旅人
好きになったことを 伝えるのは卑怯な気がした
伝えそうになった時 思わず
君のその考え方が好きだなんて ごまかした
でも、、、 教えた言葉は、
ひらがな の 「あい」
カタカナ の 「アイ」
漢字 の 「 愛 」
発音 の 「 I 」
僕は無意識に 僕の気持ちを口にしていた

恋の始まりは
相手のことを知りたい
自分のことをもっと知って欲しい

揺れる気持ちを 疑ったり 押さえたり
来ることが分かっている 別れに
二人の心と体はシンクロした

別れ際
細い腕に挟まれた首
腕の中にあった細い背中
ふれあった柔らかい頬
小走りに消えていった背中
その一瞬を胸に 思い返しつつ
一人バスを待つ