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◆★○ 別冊 コラム 第一弾 ○☆◆
僕は、2001年1月にパキスタンのペシャワールで、海外旅行禁断症状を克服?
し、長旅にケリをつけることができました。


◆◆◆[パキスタンと報道について、物申す] 平成13年10月09日


伝えたいのは、ザックリ言うと 2点です。
1)最近のパキスタンに関する報道は、個人的に癪にさわっている。
2)パキスタンの人は基本的にすごく良い(愛すべき)人達だ。(誤解がイッパイ)

パキスタンには、大きく4つの州があり、それぞれ異なった言葉、文化、民族意識
を持っている。北部は知らないが、カラチとラホール・イスラマバードとペシャワー
ルとクエッタのあるバルチスタン地方とでは、治安も人の顔つきも違う。ペシャワー
ルの外れでは、元アフガン難民が、20年の時を経て、町まで作っている。もちろん、
その住まいは、ブリキ小屋からコンクリートの店まで色々。商売も、線路上の卵、み
かん、ナッツ類、黒砂糖から、香港製B級ライター、時計、家電まで様々だ。

今、よく報道されているバルチスタン地方は治安面から考えても、最悪に危ない。
ペシャワールのハッシッシや銃を扱っている一部の売人も危ない。でも、それは、パ
キスタン全体からすると極極々一部だ。一方、アフガン人は、パキスタン人に比べ、
体つきは大きく、肌が白く、髭もリッパだ。特に老人のあご髭は、すごく長い。目の
色も不思議な青緑だったりして、はっきり見分けがつく。悲しみと深みのある目と皺
でもって静かな笑みを向けられると何も聞けなくなる。悲しみ、安堵、経験の大きさ
?とにかく、人間として、何か強く引き付けられる雰囲気を持っている。ペシャワー
ルにいるアフガン人は、200〜350万人と言われている。

だが、普通の人は、すばらしい笑顔を見せてくれ、旅人にすんごくやさしい。もち
ろん、物価が安い=貧乏な国なので、20m位後ろをズーッと付いてくる子供(意味不
明)や机下で足を器用に使ってカバンのファスナーを開ける人もいた。スリに対する
心構えは必要だ。でも、基本的に表情が豊か(分かり易い)で、子供の心を持った大
人の男(有る意味、これってステキかも)がウジャウジャせわしく歩き、仕事して、
生活している。
手工業の人などは、目をキラキラさせて働いている。その姿には、感動すら覚え、
最後の3日間は、人の顔ばかり撮っていた。パキスタン人は、カメラに映ることが大
大々好きだ。残念なことに、ほとんどの人は、カメラを向けてしまうと緊張で顔をこ
わばらせ、コッケイな引きつった笑みしかとれなくなってしまうのだが、、、。
インドと決定的に違うのは、旅人の周りに集まってくる悪意を持った人の比率。
僕の体感の平均値で、インド80%、パキスタン9%、タイ3%。なんてところかも。
大半のパキスタン人は、愛すべき愛嬌のある人々である。

心配なのは、彼らに学がないことだ。小学校へは、30%・大学へは、6%しか行っ
ていない。新聞記事は、自国 75%、インド 15%(ライバル心剥き出し)、中近東 8
%、先進国を含むその他 2%、という構成になっている。要は、見ている世界が、非
常に狭いのだ。宗教は、99%、イスラム教である。インドとバンングラデシュとパキ
スタンに国境が引かれた経緯は、宗教の違いにあるといっても過言ではない。僕は、
毎日、好奇心の強い大勢の人に囲まれ、
「貴方は、モスリム(イスラム教信者)か?」
の質問を必ずされた。

長くなるので、例まで挙げないが、彼らのノリは非常にいい。逆にいうと煽動され
易い。旅をしてきた人の目には、TV報道の中に、ヤラセや間違いもたくさん垣間見
える。一部のドラマティックな出来事だけを捕らえて、全体を見ていない。もしくは
、先入観や劇的な仕上がりを目指すあまりに、流している映像が、時に不自然に見え
てしまうのだ。僕の感じている違和感や癪にさわる部分は、多分、それだと思う。
間違いは、論外だが、、、。

銃は許可制だが、10年前のペシャワールは、治安が悪く、男は皆、街中でも常時、
ライフルを肩に下げて歩いていたそうだ。因みに今の相場は、
ハンドガン 1200円
ライフルの弾 16円
散弾銃 の 弾 25円
ヤギ29頭 17000円(北西部の山岳地帯で)
チャイ 6円(牛乳で煮出したミルクティのこと)
ピストルがヤギ2頭分足らずで買える!!。
まぁ、生活水準を考えれば、一般のパキスタン人にとっては、1200円といえど、高
価な買い物なのですが、、、給料の1/5で買えるということは、、、日本人にとって
感覚的に、パソコンとか家賃とかよりも安いのかもしれない。

最後にパキスタンで聞いた挨拶の言葉を紹介したい。
初対面でも、友達でも、会えば真っ先に言い合う言葉だ。
★「シャラマ・アレコム」(言われた人は、「ワ・アレコム・サラーム」と返事)
意味は、★「Peace on You(君に平和を)」

全ての人が、ちゃんと心を込めてこのステキな言葉を口にすれば、諍(いさか)い
は、予防し、収めることができると思う。
・・・
今後、事態が、オサマったら、僕は、フンザ(パキスタン北部)に行くつもりだ。
◆◆◆

p.s.)
他、「抑圧された男の性欲」「男女に関するイスラムのマナー」
「冒険心のない食」
「インドとパキスタンの比較」
「ロンドンからインドまで消防車で来た男」
「スウェイ歩き」
「28時間バス、ダートの旅」etc.など
パキスタンのネタは、いくらでもありますが、、、90週後くらいには、
配信できればいいなぁ。

興味ある友達には、読者になってくれる様、
宣伝してほしい(したい)ところだけど、、、
(高校生、大学生あたりにも、読んでもらいたいのだが、、、)


Photos of USA/NY/2001/09/11/WTC

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p.s.) この記事を書こうと思ったきっかけは、
   ニュースの森の「岩●健治」キャスター(たぶん同行ディレクターが悪いと思うのだ)が、
   ペシャワールの人々に
   「バンザーイ、アメリカ」などと言わせていたから、、、。
   それ以来、彼が画面に出てくる部分は見ないことにしている。